ソニー ブルーレイディスクレコーダー「BDZ-AX2000」レビュー その7：おでかけ転送（PSPへの転送、高速転送録画、ワンタッチ転送など）

ソニーさんの最新3D対応ブルーレイディスクレコーダー「BDZ-AX2000」をお借りしました。（既に返却済みです）
BDZ-AX2000は3D対応、AVCダブル長時間録画、録画中のBD再生やダビングなどのマルチタスク対応、0.5秒の起動時間等々、新機能てんこ盛りのブルーレイディスクレコーダーです。
今回は「おでかけ転送」のレビューです。

体験イベントレポート記事

１）商品コンセプト誕生秘話
２）開発秘話：起動時間短縮への挑戦
３）開発秘話：同時動作、業界最薄サイズの実現、Chan-Toru

「BDZ-AX2000」実機レビュー

１）開梱、外観、配線
２）かんたん初期設定
３）XMB（クロスメディアバー）、らくらくスタートメニュー、瞬間起動
４）番組表、My!番組表
５）録画予約、一発予約、x-おまかせ・まる録
６）ダイジェスト再生、オートグルーピング、画質設定、画質比較

BDレコーダー連携WEBアプリ「Chan-Toru(チャントル)」レビュー

１）設定＆BDZ-AX2000登録
２）番組検索、ランキング、録画設定
３）予約確認、録画した番組の操作

「BDZ-AX2000」には、録画した番組をPSPやウォークマンに転送して再生できる「おでかけ転送」という機能が付いています。 以前に借りたGiga Pocket Digital(VAIO J)にも付いていた機能ですね。
これ、中々便利な機能なんですよね。ただし今回は手元にウォークマンが無いのでPSPを使ったレビューになります。

ちなみにGiga Pocket Digitalとの大きな違いは「BDZ-AX2000」はVGA画質（640×480)に対応している事と、直接メモリースティックには書き出せないって事ですね。 高画質は嬉しい限りですが、メモリースティック非対応はちょっと使いづらいかな？ と思ったらカードリーダーを使うと可能になるようです。
→製品情報>“メモリースティック”>商品ラインアップ>MRW-F3：SONY

残念ながらレコーダーをお借りしている間に気が付きませんでした…ってか、このリーダー「MRW-F3」の発売時期がモニター期間の後なので、もしかしてお返した後にメモリースティックに対応したのか？
それはさておき、レビューを開始します。

それでは「おでかけ転送」スタートです。
まずはPSPをUSBケーブルでBDレコーダーに接続します。

「おでかけ転送」関連のメニューはXMBのビデオにありますので、ここで「おでかけ転送」を選択。

「おでかけ転送」を選択すると録画番組が一覧表示されるので、ここから転送する番組を選択。
尚、番組名の右側に「高速」と「10→」の表示があります。
「高速」は後ほど説明しますが、「10→」に関しては転送が行える回数となります。 いわゆる「ダビング10」でして、9回まではコピー（BDレコーダー上の番組は消去されない）、最後の1回がムーブ（BDレコーダー上の番組が転送後に削除される）となります。もし、転送した番組をBDレコーダーに戻したい場合は、「おかえり転送」でBDレコーダーに戻すことができます。もちろん「おかえり転送」した場合は、ウォークマンやPSPなどの転送先から番組は削除されます。

転送を開始すると転送中画面が表示されます。複数の番組を同時転送する事も可能です。
尚、転送中に電源を落としても転送続けくれるので便利ですね。
これは30分のアニメ番組を2本(60分)転送していますが、画面には転送時間が約3分とでています。「お！早いじゃん」と思ったんですが、これはおでかけ転送用のファイルが作成済みの場合で、もしファイルが作成されていない場合は、実際の番組の時間と同じ時間が掛かってしまいます（汗）
尚、おでかけ転送用のファイルが作成済みの番組は場合は、先程の番組選択画面で、[高速]マークが付きますので一目でわかりますよ。

PSPのビデオ一覧を確認。ちゃんと表示されてます、簡単ですね～。
ちなみにPSPは僕所有のPSP3000です。
Giga Pocket Digitalでは、QVGA(320x240)までしか転送できませんでしたが、BDZ-AX2000ではVGA画質（640×480)で書き出せます！ですんでPSPの大画面を生かせますよ～。
尚、PSPの再生の使用感に関しては以下の記事でレビューしています。
→SONY VAIO Jシリーズ（Giga Pocket Digital）レビュー＆イベントレポート（実機レビューその5：おでかけ転送、ウォークマンやPSPへの転送）

「おでかけ転送」はレジューム転送も可能です。
レコーダで再生を停止した以降の部分を転送する事ができます。
長時間番組を試聴する場合は便利かもしれませんが、僕は基本的に再生を始めたら最後まで見る派なんで、この機能はあまり使わないかな？

「おでかけ転送」はグループごと一気に転送する事も可能。
BDZ-AX2000では連ドラなど自動でグループ化されるので、 取り溜めて一気に転送する事が可能です。 尚、グループに関してはこちらでレビューしています。
→レビュー その6：再生（ダイジェスト再生、オートグルーピング、画質設定、画質比較など）

先程、「おでかけ転送用のファイルが作成されていないと時間が掛かる」と書きましたが、番組録画時におでかけ転送用のファイルを作成する事ができます。方法は「高速転送録画」と「ワンタッチ録画」の2種類があります。

「高速転送録画」を設定しておくと、番組録画時に、おでかけ転送用の動画ファイルを自動的に作成してくれます。
ここで注意が必要なんですが、おでかけ転送のファイル形式はAVC Main ProfileとAVC Baseline Profileの2種類があり、AVC Main Profileはウォークマン、nav-uなどでは再生できません。
ですので、自分が転送したい機器（ファイル形式）を「おでかけ転送設定：おでかけ転送機器」で設定しておく必用があります。

おでかけ転送設定：おでかけ転送機器

• PSP → AVC Main Profile
• ウォークマン、nav-u → AVC Baseline Profile
• 携帯電話 → AVC Baseline Profile

尚、おでかけ転送に対応している機器とファイル形式については以下でチェックできます。
→「 おでかけ転送 」 対応の機器と、転送できる映像の種類を教えてください。

画質は「おでかけ転送設定：録画モード」で、さらに細かく設定する事も可能です。
自動、VGA2.0M、VGA1.0M、QVGA768k、QVGA384kから選択できます。「自動」ってなんだ？って感じですが、録画番組の録画モードに合わせて自動で画質を変更してくれます。また、画質は「おでかけ転送設定：おでかけ転送機器」で設定した機器にもよって変わります。

「自動」での録画モードによる画質変化

PSPの場合

• DR/XR/XSRモード → VGA1.0M
• SR/LSRモード → QVGA768k
• LR/ERモード → QVGA384k

その他（ウォークマン/nav-u/携帯電話の場合）

• DR/XR/XSR/SR/LSRモード → QVGA768k
• LR/ERモード → QVGA384

「高速転送録画」は無条件に全ての番組でおでかけ転送用ファイルが作られてしまうので、ハードディスクの容量を喰ってしまいます。
番組ごと個別におでかけ転送ファイル作成を設定したい場合は、ワンタッチ転送と言う機能があります。 ワンタッチ転送は番組を録画予約する際に設定を行います。ワンタッチ設定を行った番組は録画時に自動でおでかけ番組ファイルが作成されます。

ワンタッチ転送で作成された番組は「ワンタッチ転送リスト」画面で確認できます。

PSPをUSBケーブルでBDレコーダーに接続し「番組おでかけ」ボタンを押すだけで、「ワンタッチ転送リスト」に入っている番組がおでかけ転送されます。その名の通りワンタッチで転送可能です。

さらに「ワンタッチ転送 更新転送」と言う機能あります。これは、設定された期間でPSP等の転送機器の内容を最新状態にしてくれる機能です。
3日、1週間、2週間で設定でき、その期間内の番組が転送され、それより古い番組は自動的に削除されます。
例えば3日で設定した場合は、ワンタッチ転送した日を含まない過去3日分の番組がおでかけ転送され、それより古い（4日前以上）の番組は削除されます。ちなみに、10回以上転送されてしまった番組（ムーブ状態）が削除対象になった場合は、自動で「おかえり転送」してくれます。
また、期間とは別に「おまかせ更新」という設定もあり、こちらは、PSPなどの転送先の機器での再生状態や「おでかけ転送」の転送状況を学習して、転送機器の内容を更新してくれます。
中々便利っぽい機能ですが、お借りしている期間中に、機能を試す時間が取れませんでした（汗）ですので、学習結果の精度がどれほどなのかちょっと不明です。

「おでかけ転送」のファイルを別の機器用に再度作成する事も可能です。例えばPSP用に作成したファイルをウォークマン用に作成し直す事ができます。 尚、古いファイルは削除されてしまいます。（例：PSP用からウォークマン用に作成し直した場合、PSP用は消えます） ちなみに、先述したように変換時間は実際の番組の時間と同じ時間が掛かってします（汗）でも、映像変換中にレコーダーの電源を切っても作業を続けてくれるので、助かりますね。

VAIOで再生できるのかな？と思いPSPで転送した動画が入っているメモリースティックから再生してみましたが無理でした。※ちなみにマニュアルではVAIOには触れられていません。
ですが、レコーダーをお返しした後「おでかけビューア2」なるアプリが発表されました。どうやらこのソフトはメモリースティックに転送したBDレコーダーの動画をVAIOで再生可能にするソフトのようです。
なお、昔あった「Memorystick Video Player」「おでかけビューア」と言うソフト後継っぽいです。

う～ん、この「おでかけビューア2」も発表時期が「MRW-F3」と同時期なので、メモリースティックに転送してVAIOで再生したいって要望が強かったんですかね？ まっVAIO J（Giga Pocket Digital）では録画した番組をメモリースティックに転送して他のVAIOで再生する事が可能でしたから、僕はBDレコーダーでも当たり前にできると思ってましたよ（笑）

BDレコーダーはお返ししてしまったんですが、まだPSPにおでかけ転送した番組データはまだ消してないので、後でVAIO Pを使って「おでかけビューア2」を試してみる予定です。

以上、おでかけ転送のレビューでした。

VAIO J（Giga Pocket Digital）の時も思いましたが、おでかけ転送は便利ですね。
転送先の機器でチャプターがそのまま生かされるのでCM飛ばせて便利です…なんか僕のREGZA Z9000がチャプターやCMカットに対応してないから、いつもこの部分を褒める傾向が…（汗）
そしてワンタッチ転送やグループ単位でまとめて転送など、転送をより簡単にする機能も充実していて良いですね。ここら辺の転送機能やVGA対応などGiga Pocket Digitalには無い機能ですね。
ただ、「おでかけ転送」は、ちょっと設定が分かりにくいと思いました。特に「おでかけ転送機器」と「録画モード」の関係が最初は理解できませんでした（泣）あとPSPからウォークマンなどに転送する機器を変える場合は、転送用ファイルを作り直しってのが痛いですね。ちょっと強引かもしれませんが、いっその事、全てのフォーマットのファイルを作成しちゃえばいいんじゃないかな？そうすれば設定も簡単になるし。まっその分ハードディスクの容量を喰っちゃいますけどね（汗）

Giga Pocket Digitalの時も書きましたが、iPhoneやAndroid…せめてXperiaに転送可能できれば、もっと便利そうです。これについてはイベントの時も開発者さんんからお話しを聞いたんですが、世界市場向けの製品が日本独自仕様（ダビング10）に対応するのは、なかなか難しいみたいですね…。

編集機能、ダビング、ムーブバック機能に続きます。