ソニー 3D対応ブルーレイディスクレコーダー体験イベント その2(開発秘話:起動時間短縮への挑戦)
SPECIAL [スペシャル] ソニー ブルーレイディスクレコーダー体験イベントレポート
2010年9月29日 00:48
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体験してきたブルーレイディスクレコーダーは10月22日発売予定のBDZ-AT500でした。
前回は、商品企画担当の成田さんより「商品コンセプト誕生秘話」のお話をお聞きしましたが、今回より各開発担当によるブルーレイディスクレコーダー開発秘話になります。
そして実機を使った旧モデルとの起動スピード比較も見せていただけましたよ~。
動画でアップしてますので、みなさんにもそのスピードが実感できると思います。
それでは、レポート開始です。
起動時間短縮にこだわった理由
実家では両親がアクオスBDレコーダーを使っていて(高速起動モードとかは無いです^^;)、起動が遅いと良く言ってますね。ちなみに僕は液晶TV(REGZA Z9000)の録画機能で録画してるんで、現在はレコーダーは持っていないのですが、USBハードディスクの容量が増えてくると、TV起動後のUSBハードディスクの使用可能までの時間が結構掛かるようになってきましたね^^;
起動時間短縮の難しさ
アナログからデジタルに移行してソフトウェアが処理しなければいけない量が莫大に増えたそうで、ざっくり言うとアナログ時の1000倍!!(えっ?汗)
当然それだけのソフトウェアが必要だと起動時間が伸びるそうでして、VHSの頃から比べると約40倍の起動時間になったと言われているそうです。
なに1000倍って?(笑)どんだけソフトが増えてんだよ…そりゃー起動時間も遅くなるわけですね。
1000倍の起動処理を40倍で抑えてる事が、すでにスゴイ事なよーな気もしてくる^^;
でも、この「特殊な起動モード」は実質上レコーダーが常時起動しているのと同じ状態を維持することで実現しているそうでして、つまりレコーダーの電源は入れっぱなしっの状態に近いって事なんですね(汗)
そうなると、もちろん電気を消費し続けている訳でして、起動時間短縮とエコ(省エネ)はトレードオフの関係になっているのです。
エンジニアの伊久さんは2003年からデジタル対応レコーダーを開発しいるのですが、とにかく「起動時間を早くできない自分が許せなかった!!」そうです。
そして、伊久さんは約8年賭けてコツコツとこの起動時間を短縮する為に努力をし、やっと今回の新レコーダーで実現できたそうです。前回の記事でも紹介しましたが、さすが「性格は負けず嫌いで、特に自分に負けるのが嫌い」な男です(笑)
この気持ちが今回の起動時間短縮に繋がっているんですね。
ですが、この起動スピード実現までには、イロイロと苦難の道があったそうですよ。
通常起動(エンジニア)vs 瞬間起動(商品企画)!
エンジニアの伊久さんは「通常起動の40秒がとにかく許せない!!通常起動を短くするのは技術的にはものすごく大変だが、エンジニアとしては通常起動を何とかしたい!!」と考えていたそうです。
これに対し、商品企画の成田さんは通常起動じゃなくて、「高速起動もまだまだダメ!9秒ではストレスになる。とにかく業界最速を目指す!目を開いたらパッと絵が出ているようにしてくれ!」と希望したそうです。
通常派のエンジニアと高速派の商品企画でバトルした結果「両方やろう!!」ということになったそうです。 そして、2つのパッと起動を実現したそうです!スゲーなソニーさん(笑)
通常起動時間短縮のために
レコーダーの起動には様々なプログラムが“ロード”→“実行”、“ロード”→“実行”…を繰り返しています。 サスペンド/レジュームの搭載で“ロード”の必要が無くなり、起動を20秒に短縮したそうです。
ですが、伊久さん達エンジニアは納得がいかず更なる高速化を目指しました。
“実行”と“実行”の間にはハードウェアなどの様々な制約の為に、スキマ(時間)が空いているそうです。 このスキマに“実行”をパズルのように埋めていったそうです。 「これが埋められるか?いやこっちか?」と延々と繰り返したそうですよ。そして、前モデル比85%減、映像が見えるまで40秒→6秒へと起動時間短縮を実現しました!!
僕は昔、Appleの漢字Talk7やMacOS8、9を使っていた頃に機能拡張とコントロールパネルをギリギリまで削り、起動時の読み込み順を調整して、起動時間やシステムの高速化をしていたのを思い出しました。 まっ伊久さんの苦労とは比べるまでもないですがね^^;
通常起動が省エネで高速
そして、瞬間起動は少し消費電力は増えましたが0.5秒を実現です。
1秒切ってますよ!スゴイですね~。
ですが…ここでも伊久さんのエンジニア魂が燃え上がります!!
0.5秒を実現するのは消費電力の増加はしかたがないのだが、どうしてもエンジニアとしてのプライドが許せなかった!そうですよ。
瞬間起動の省エネ実現のために「学習機能」を活用
そこで今回のレコーダーでは、エコを実現するために「学習機能」を搭載しています。
「学習機能」とは使用する時間帯を機器が学習し、高速起動モードを自動で切り替える機能です。
つまり、あまり使われない時間は自動で高速起動モードがオフとなり、消費電力を抑えます。
「学習機能」はブラビアが去年のモデルで実現しているそうで、それを活用することにしたそうです。
ただ液晶テレビとレコーダーでは使い方が異なるためそのままでは使えなかったそうです。
そこで、レコーダーはどのように使われるかコツコツとデータを集め研究を行い開発をしたそうです。
そのレコーダー用学習機能のアルゴリズムを簡単に説明いただきました。
瞬間起動でもエコを実現
最後に商品企画の成田さんからもお話しがありました
商品企画では、かしこいレコーダーと言うコンセプトがあったので、起動しっぱなしではダメだという話が元々あったそうです。 エンジニアも同じ気持ちでいたので、今回の瞬間起動でもエコを実現できたそうです。
しかも、標準起動も高速なので、瞬間起動ではない時間帯でもスゴく消費電力を押さえて起動も早い、トータルで良いレコーダーになったと自負しているそうですよ。
起動スピード比較「BDZ-AT500」vs「BDZ-RX35」!
比較したのは旧モデル「BDZ-RX35」と、新モデル「BDZ-AT500」です。
ハードディスクには限界までデータが詰め込んであるので、最も起動が遅い状態での比較になります。
まずは、高速(瞬間)起動モードです。
見せてもらおうか、ソニーの新BDレコーダーの瞬間起動モードとやらを!(笑)
爆速です!まさに「パッと起動!」です。いや~これ早すぎですよ。
更に、イベント終了後に通常(標準)起動モードの比較も見せていただきました。
(佐藤さんありがとうございました!)
これが、伊久さんのこだわった標準(通常)起動でのスピードです。
標準でも起動はやっ!!これ、十分早いですよ!瞬間起動モードは使わなくてもいんじゃね?って位の早さです。しかも、旧モデル「BDZ-RX35」の高速起動より、新モデルの標準起動の方が早いんです!!! 伊久さんの技術者魂が炸裂しております!
まとめ
いや~それにしても、伊久さんは熱い方でしたね。
まるでプロジェクトXを見てるような気分になっちゃいました(笑)
しかし、ホントに早いですね、この新ブルーレイレコーダーは!!
標準起動モード約6秒、瞬間起動モード約0.5秒、しかも「学習機能」で省エネ。
商品コンセプトどうりに、「はやく」て「賢い」レコーダーに仕上がってますよ!
今までのBDレコーダーの起動時間はなんだったの?って感じですよ^^;
次回は今までのソニーさんのBDレコーダーで、ずーっと叩かれ続けた同時操作のお話しです^^;
なんと今回のモデルでは、この問題点も解決してるんですぞ!!
→「開発秘話:同時動作、業界最薄サイズの実現、Chan-Toru」に続きます。
「SPECIAL [スペシャル]:ソニー ブルーレイディスクレコーダー体験イベントレポート」での記事一覧
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> 高速機動モードと言った「特殊な起動モード」を用意して解決しています。
> でも、この「特殊な起動モード」は実質上レコーダーが常時起動しているのと同じ状態を維持することで実現しているそうでして、つまりレコーダーの電源は入れっぱなしっの状態に近いって事なんですね(汗)
> そうなると、もちろん電気を消費し続けている訳でして、起動時間短縮とエコ(省エネ)はトレードオフの関係になっているのです。
「トレードオフ」というのは「逃げ」だと思います。
パソコン(特にノートパソコン)のスリープ時の消費電力はもっと少ないと思います。
数ヶ月前ですが、パナソニックですがブルーレイレコーダを買って起動時間が長いので驚きました。
(クイック起動モードが標準でONになっていたのを、OFFにしたのですが。)
起動時間が長いので、クイック起動モードを ON にしたのですが、
しばらく後に調べて驚いたのが、クイック起動モードのときの消費電力です。
( 6Wのくらいでした。) ( 知ってから、またクイック起動モードは OFF にしました。)
それで、他社のレコーダを調べてみると、20W以上消費するものまであることを知りました。
このソニーのBlu-rayレコーダも 18W も消費するようなので残念です。
電源が OFF の時間は長いので、非常に良くないと思います。
しかも、これほど多くの電力を消費していると知らずにクイック起動モードを ON にしている人もいると思います。
エコとか、省エネとか言いながら、日本のメーカがこんなに反エコな製品を作っているとは知りませんでした。
どの程度の消費電力が許容範囲か分かりませんが、私は 1~2[W]以内にできないなら、
クイック起動モードは搭載してはいけないと思います。
( パソコンのスリープでの消費電力は 1~2W のようなので、できそうですが。)
( 新しい Apple の MacBook Air というノートパソコンは、すぐに起動する状態で 30日もバッテリが持つようなので、消費電力はさらに小さいと思います。)
通常起動でも 6秒であれば、十分だと思います。
ぜひ、クイック起動モードは ( 消費電力が 1~2[W]以下にできるまで ) 搭載しないようにしてほしいと思います。
また、他のメーカの方も起動時間が短くなくても、クイック起動モードは消費電力を下げれるまで搭載しないようにしてほしいと思います。
そして良識を持った状態で技術開発をし、その範囲で起動時間を短くして欲しいと思います。
goto2010年10月25日 20:49
gotoさん、初めまして。
先日までBDZ-AX2000を借りてたんですが、通常起動でも十分だと僕も感じてました。
6秒でもかなり早いので瞬間起動モードじゃなくてもストレスは感じませんでしたね。
ちなみに、このソニーのレコーダーは初めて起動した時の初期設定時に瞬間起動モードのON・OFFを確認してきましたね。その際には消費電力が増えると警告も表示され、ユーザーに選択させる形になってました。ただし、ワット数までは表示されてませんでしたが^^;
尚、瞬間起動モードは最大で6時間までしか設定できず、それ以外は標準モード(0.5W)になりますので、逆に電源OFFの間ずっと瞬間起動モードにしたくても、する事はできない仕様になってましたね。あと、学習機能が付いており、良く使用する時間帯のみ瞬間起動モードにする事も可能でした。
結構、頑張ってる方ではないかと僕は思います^^
でも、理想は0.5秒起動で消費電力0.5wって感じですかね。
UTAN19852010年10月26日 01:21