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AQUOS クアトロン 誕生秘話 イベントレポート

シャープ AQUOS「4原色革命 Quattron(クアトロン) 誕生秘話」イベントレポート その2(クアトロン:4原色革命)

シャープ AQUOS「4原色革命 Quattron(クアトロン) 誕生秘話」イベントレポートです。
開発者さんに直接お話しを伺え、発売したばかりの実機を体験させていただきました。

前回はLED AQUOS誕生までの歴史をお話いただきましたが、
今回はいよいよ「Quattron(クアトロン) 」のお話になります。

クアトロン最大の特徴である、従来の3原色(RGB)にY(イエロー)を加えた4原色(RGB+Y)ですが、4色表示になって変わったのは色の表現力だけではなかったんです。実は4原色化は高精細化や省エネ化にも貢献したそうですよ。
このレビューは「みんぽす」の無償イベントに参加して書かれています。(詳細は末尾で)

クアトロン(Quattron)の特徴と名前の由来。そして真実!?

クアトロン(Quattron)とは

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クアトロン(Quattron)の真実

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クアトロ+エレクトロン=クアトロン
AQUOSもそうですが、シャープさんこういう合体造語好きですね。 僕はクアトロンて最初に聴いたとき、あの赤くて3倍早い方が4番目に名乗っていた名前を思い出しましたよ(笑)
尚、4原色はパネルだけでは不可能でしてテレビ回路が必要です。その組み合わせによりもたらされた広色域化、高精細化、省エネ化の全てを含めてクワトロンと位置付けているそうです。
クアトロン(Quattron)

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クアトロンの4原色パネルは黄色、金色を美しく表現します。
Y(イエロー)が足された訳なので何となくそんなイメージはしてましたね。
ところで、先程の赤くて3倍早い人も金色のヤツに乗ってましたね(しつこい)
広告等では黄色、金色の表現力を一押ししていますが、実は「緑」「シアン(水色)」の表現力もアップしているそうです。 また、今までの液晶よりもY(イエロー)分のサブピクセルが増え、従来より3→4の細かさになり高精細化にも繋がっています。
さらに、4原色の特性を生かすことで消費電力を下げ、前機種のLED AQUOSよりも消費電力10%下がっています!う~ん4原色化すると良いことずくめなんですね~。

クアトロン(4原色)は「黄色」だけではなく「緑」「シアン(水色)」の表現力がアップ!


クアトロン(Quattron):4原色技術による広色域化

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4原色化により、なぜ「黄色」や「緑」の表現力がアップしているのでしょうか?
まあ、Y(イエロー)が追加されたんで「黄色」は分かるにしても「緑」は何故?って感じもしますよね。

従来までの3原色表示ではRGBの3点のポイントで色域(色の範囲)を作っていました。
クアトロンではY(イエロー)のポイントを追加しRGB+Yの4点により色域を作ることで、色の表現できる範囲を拡大しています。
これによりヒマワリなどの黄色や、トランペットなどのゴールドの表現力・再現力がアップしたそうです。

さらに、黄色のポイントを追加したことでG(緑)のポイントを従来とは異なる位置に移動することができ、それにより海や空などシアン(水色)系の表現力がアップしたそうです。
Y(イエロー)の追加はこんな恩恵も与えてくれたんですね~!

クアトロン(4原色)は自然界に存在する色を(ほぼ)表現可能!

クアトロン(Quattron):4原色技術による広色域化

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SOCS物体色分布というものなんですが、実際に自然界に存在する約50000の物体の色情報を白の点で表示しています。青の三角は従来までのRGBの表示範囲なんですが。白玉がハミ出てますよね?この青三角からハミ出ている白玉はいままでのRGBでは表現できなかった部分になるんです。
そしてクアトロンの場合は白い枠線の中まで表現可能ですので、今まで表現できなかった黄色や緑、シアン(水色)を表示する事が可能になっています。
尚、3原色(RGB)だけの三角形を大きくする事は可能だそうです。実際にXS1という機種で実現したそうなんですが、物体色は全て表現可能になりましたが、実際に使用されない余計な色も入ってしまい、消費電気もかなり喰ってしまい全然省エネにならなかったそうです(汗)

そこでクアトロンではY(イエロー)を追加し、自然界に存在する色を効率的に表現することを目指したそうです。シャープさんはあくまで省エネにこだわるんですね~!


クアトロン(4原色)を実現させたのは「UV2A」パネル


ASVパネル

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4原色になるということはサブピクセルが3から4に増えます。
ですので、その分ピクセルを仕切るスリットが増えてしまいます。
つまり光の通り道を邪魔するものが増えてしまい、輝度(明るさ)が落ちでしまうのです。
「UV2A」パネルを利用

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ですが、「UV2A」パネルを利用することで、従来のASVパネルにあったリブ、スリット(斜めの仕切り)を無くし光の通り道を増やすことで、4原色での高輝度化に成功しています!
「UV2A」がなければクアトロンは実現できなかったそうです。さすが30年来不可能だった技術だけありますね。UV2Aに関しては前回の記事でも解説しています、興味のある方はそちらもご確認ください。
ちなみに、シャープさんでは、テレビはやはりリビングなど家の中の明るいところで見るのものだから明るさは重要な要素と考えているそうです。ですので、クアトロンの高輝度化にはかなりこだわったようですね。
ASVパネル(RGB)とUV2Aパネル(RGBY)の比較

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これは実際にASVパネルのRGBとUV2AパネルのRGBYを比較したモノです。
右がクアトロンの4原色パネルですよ!Y(イエロー)ドットが追加され、RGBYで表示されてますね~ちょっと感動!分かりにくいかもしれませんが、左のASVパネルは斜めに黒線が入ってます。 「UV2A」であるクアトロンの方には斜め線はありません。

ちなみに、このドットを表示しているのは「USBマイクロスコープ」と言うガジェットなのですが、イベントに参加されていたrgb400さんがお持ちになっていた顕微鏡カメラです。いや~ドット撮影の際、非常に助かりましたよ。rgb400さんに感謝です!

4原色化により超解像高精細表示が可能に!

クアトロン(Quattron):4原色化により超解像高精細表示

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4色パネルでは、サブピクセルが3→4に増えた事により、より繊細な表現が可能となっています。
特に斜めの線では、ギザギザ感を押さえ、繊細で高精細な映像表現が可能となっています。
高解像度処理の比較

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これは、高解像度処理の比較です。左は通常、右は高解像度処理を行っている画像です。
斜め線のピクセルが細かく表現されていますよね。
全体の映像は著作権の関係で掲載できないのですが、字幕を始め、細かい木々の表現や、建物の格子の表現など、映像の細かい箇所がシャープに表現されていましたよ。

黄色を効率良く利用し省エネ化!

クアトロン(Quattron):省エネ化

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人間は緑と黄色から明るさを感じるそうです。今までの蛍光灯式のバックライトでは黄色はほとんど出ていなかったそうです。
クアトロンでは黄色を利用することで、効率良く人に明るく見える映像を表示します。
この黄色を利用したに効率化により従来の30%の省エネを実現していますよ!!
クアトロン(Quattron):4原色により広がる可能性

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尚、従来のRGBでは3つの式に対して3つの色(変数)の場合、組み合わせが決まってしまいます(一意)。 ですが、4原色の場合は、3つの方程式に対して4つの色(変数)があるので組み合わせが自由(無限)にできます。 これにより、輝度や消費電力を最適化することが可能、つまり省エネ化につながるのです。
ちなみにこれは学会で発表した時の資料らしいんですが・・・僕にはさっぱり???
まっ4原色はスゴイってことですよ!(オイ )

クアトロン(4原色)はTV放送でも省エネ!

クアトロン(Quattron):3原色と4原色の輝度比較とTV放送の頻度分布

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右図は3原色と4原色の輝度比較です。青が3原色優位、緑は4原色が優位で、赤は4原色でしか表現できない範囲です。 ほとんど4原色の勝ちだけど、3原色に負けてる部分もあるじゃん!って思えますよね?
でも実はこの3原色が勝ってる青の部分はあまり利用されない部分らしいんです。
左図はTV放送での色度の出現頻度なんですが、赤い所になるほどよく使われる色度で、青になる程あまり使われなくなるそうです。
3原色が得意としている部分はあまりTV放送では使用されておらず、4原色が得意とする部分は使用率が高い箇所なんです。
つまりTV放送では、ほとんどの部分がクアトロンの得意とする範囲=省エネとなるわけです。

クアトロンは4原色パネルの美しさばかりのイメージでしたか、かなり省エネ化が考えられているんですね。 前回の記事のアクオスの説明のときもそうでしたが、シャープさんの省エネ対するこだわりがヒシヒシと伝わってきます。さすが「リビングは環境」ですね。

3原色と4原色を実機で比較

クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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それでは3原色の旧機種(AE6 52v)とクアロトン(LX3 52v)の映像比較です。
ちなみに言わなくても分かるかも知れませんが、左が旧機種(AE6)、右がクアロトン(LX3)です。
みなさんのご使用のモニタ(もちろん僕のも)はRGBですので、実際にはクアロトンのRGB+Yを表現できないんですけどね(汗)イメージはつかめるんじゃないかと思います。
クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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淡い緑色(エメラルドグリーン)が綺麗に再現されていますね~。
クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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ヒマワリの葉の緑と花びらの黄色の発色がまったく違います!
クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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淡い色合いがきちんと表現され、花々がくっくり見えます。
クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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クアトロン(Quattron):3原色と4原色を実機で比較

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金の鮮やかさがまったく違います!!かつ繊細な部分も綺麗に表示されてますね。
※金色に関しては、まとも写真が無くてすみません(汗)
もう一目で明らかに違うことがわかりますよね。クアロトンの方がかなり明るく鮮やかに表示されています。画像ではわかりにくいですが、黒もとても綺麗でした。
また、各画像の中心に消費電力が表示されているんですが、これだけ明るく鮮やかに表示しているのにクアトロンの方が消費電力が低いんです!かなりの省エネっぷりですね。
ただし、旧機種のAE6はLEDアクオスでは無いので、LEDバックライトやUV2Aが搭載されていません。4原色以外に、そこら辺の差も出ちゃってますね(汗)

クアトロン 4原色革命のまとめ

クアトロン(Quattron)とは

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クアトロンは今まで50年間RGBだった原色をRGBYにすることで、今まで表現できなかったものを表現可能にし、省エネも達成しました。

シャープさんでは、「今までにはない新しい革命を起こして行きたい!」という考えのもとクアトロンを開発しました。そしてクアトロンで、みなさんによりリアリティを感じて、感動をして欲しいそうです。

僕は4原色は単純に黄色系の色の表現力がアップするだけだと思っていましたが、かなり様々な箇所に恩恵があったことに驚きました。
緑、シアンの表現力や自然界の色に対する再現力アップ、サブピクセル増加による高精細化、そしてY(イエロー)を効率良く使うことにより消費電力を押さえる省エネ化…4原色化はここまでTVに良い影響を与えるんですね~。う~ん、スゴイいです!!

今回はクアトロンの4原色化に関するお話でした。

→クアトロンの3D映像、音響、USB-HDD録画、THX認定、映画クラシックモードなどのお話に続きます。
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このレビューはWillVii株式会社が運営する レビューサイト「みんぽす」から招待されたイベントに参加して書かれています。 本イベントへの参加及びレビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)。本イベントに参加された他の方のレビューはこちらのみんぽすTBセンターでご覧になれます。(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

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COMMENT

ご紹介いただきましてありがとうございます。
つまらないものですが 持っていて役に立ってよかったです。

rgb4002010年8月11日 15:42

rgb400さん
コメントありがとうございます。
ドット撮影ではホント助かりました( ^ ^ )
今後ともよろしくです。

UTAN19852010年8月12日 16:55