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SIGMAレンズ 体験イベントレポート

SIGMA(シグマ) 一眼レフ用交換レンズ 体験イベント その2(こだわりの広角ズームレンズ、人気レンズの紹介)

SIGMA(シグマ)さんの一眼レフ用交換レンズ 体験イベントに参加してきました。
今回は、こだわりの広角ズームレンズのお話と人気のあるレンズをピックアップしてご説明いただきました。
このレビューはWillVii株式会社が運営する国内最大級家電・ゲームレビューサイト「 みんぽす」のモノフェローズイベントに参加して書かれています。本レビュー掲載によるブロガーへの報酬の支払いは一切ありません。レビューの内容につきましてはみんぽすやメーカーからの関与なく完全に中立な立場で書いています。(唯一事実誤認があった場合のみ修正を行います)「モノフェローズ」に関する詳細はこちら。(WillViii株式会社みんぽす運営事務局) みんぽす

前回お話いただいた、「SIGMAさんの歴史や世界最高の光学メーカーを目指したモノ作り」でもあったようにシグマさんは広角ズームのパイオニアであり相当こだわって開発を行っています。

レンズにはブームがあって、少し前では広角レンズが流行っており、現在では標準から中望遠のレンズが流行っています。今では他社からも様々な広角ズームが出ていますが、最広角の広角ズームでは、ずっと業界をリードしてきたと自負しているそうです。
この、昔からこだわって作り続けている広角ズームレンズをご紹介いただきました。


SIGMAこだわりの広角ズームレンズ


ZoomGamma 21-35mm F3.5-4 MF (1979)

ZoomGamma 21-35mm F3.5-4 MF (1979)

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広角ズームの一世代目。1979年に発売された「ZoomGamma 21-35mm F3.5-4 MF」です。
これは、前回お話にあったように父親が有名な山岳写真家だった創業メンバーの方が開発されたレンズです。シグマさんの広角ズームへのこだわりの始まりの一本ですね。

ZoomGammaII 21-35mm F3.5-4.2 MF (1985)

ZoomGammaII 21-35mm F3.5-4.2 MF (1985)

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その後、後継機として2世代目「ZoomGammaII 21-35mm F3.5-4.2 MF」が1985年に発売されます。この時はまだマニュアルフォーカスのレンズです。

ZoomGammaII 21-35mm F3.5-4.2 AF (1990)

ZoomGammaII 21-35mm F3.5-4.2 AF (1990)

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そして1990年に2世代目をAF化した「ZoomGammaII 21-35mm F3.5-4.2 AF」が発売されます。
このレンズはヨーロピアンレンズイヤーや、CAPAベストレンズオブザイヤーなどを受賞しています。ここからシグマさんの広角レンズは加速していったそうです。

18-35mm F3.5-4.5 Aspherical UC(1994)

18-35mm F3.5-4.5 Aspherical UC(1994)

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1994年発売の「18-35mm F3.5-4.5 Aspherical UC」は、当時としては初の広角18mmで、非球面を使って性能を上げたレンズだそうです。
軽くて性能が良く全世界で高評価だったそうで、沢山のアワードを受賞したそうです。

ちなみに山木社長は前玉が広がっていてキュっとなっているのがカッコ良くて好きだそうで、当時このレンズをEOS5と組み合わせるのが好きだったそうですよ。

17-35mm F2.8-4 EX Aspherical(1999)

17-35mm F2.8-4 EX Aspherical(1999)

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1999年発売の「17-35mm F2.8-4 EX Aspherical UC」。高級レンズシリーズであるEXシリーズとして開発され超音波モーターを内蔵しています。
こちらもアワードを受賞していて、円高で苦しい時代のヒット商品だったそうですよ。

15-35mm F3.5-4.5 EX DG Aspherical(2001)

15-35mm F3.5-4.5 EX DG Aspherical(2001)

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2001年はAPS-Cサイズの一眼レフが登場した時期で、もっとワイドが欲しいという要望があり開発されたのが「15-35mm F3.5-4.5 EX DG Aspherical」です。
望遠レンズのように長い形状で、非常に解像力の高い良いレンズだったそうです。

12-24mm F4.5-5.6 EX DG Aspherical HSM(2003)

12-24mm F4.5-5.6 EX DG Aspherical HSM(2003)

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2003年に発売され、現行製品でもある「12-24mm F4.5-5.6 EX DG Aspherical HSM」。
フルサイズ対応で12mmの超広角レンズです。
様々なアワードを受賞し、建築物や風景を撮影される方が多く使用しているレンズです。

10-20mm F4-5.6 EX DC HSM(2005)

10-20mm F4-5.6 EX DC HSM(2005)

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APS-Cサイズが増えてきた2005年に発売の「10-20mm F4-5.6 EX DC HSM」。35mm換算で15~16mmで、このレンズも現行製品です。

実はこのレンズは「F3.5-4.5でも使えるレンズ」だと後になって設計者から話があったそうです。「なんで高く売れるF3.5-4.5にしなかったのか?」と聞くと、「F4-5.6の方が性能が良いから黙っていた」との事(笑)
と言う訳で、性能に余裕のある良いレンズだそうです。

8-16mm F4.5-5.6 DC HSM

8-16mm F4.5-5.6 DC HSM

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そして、 最新の「8-16mm F4.5-5.6 DC HSM」。今回撮影会でも用意されていたレンズです。
コンセプトは「APS-Cサイズで12mmをカバーする」との事。
最初、社内では「こんなのできない!良い性能を出せない!」と開発から話があったそうなんですが、実際には開発はスムーズに進み「なんだ余裕じゃない」となったところ、 「いやいや違います!これは設計期間は数ヶ月ですけど、構想期間は5年です」と話があったそうです。
レンズ設計には種類によって得手不得手があり、このレンズは広角レンズのスペシャリストの方が設計しているそうで、2003年以降の12-24mm、10-20mmは同じ設計者が担当しているそうです。

実際に開発していた期間は数ヶ月ですが、2003年のレンズ開発からずっと頭の中で構想を練っていたそうで、非常に高性能なレンズに仕上がっているそうです。
縦位置であればポートレイトなどにも使えますし、非常に面白い撮影ができるレンズとの事。
で、実はこのイベント終了後にレンズの貸し出しがあったんですが、僕はこのレンズをチョイスしてたんですね~。レンズのチョイス自体はこのイベント以前にしていたので、シグマさんがここまで広角ズームにこだわっているの知らなかったんですよね。たまたまだったのですが、これはラッキーですね。
ちなみにお借りしたのはAマウントでNEX-5にマウントアダプターで使用する予定です。 もちろんレビューもしますので、興味のある方はお待ちくださいね。


そして、次からはシグマさんのレンズラインナップから人気の高いレンズをピックアップしてご説明いただきました。

50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

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手ブレ補正付き50-500mmの10倍ズームレンズです。
前機種の50-500mmを開発した際に標準から望遠で10倍のズームレンズは他社から出ておらず、開発にはかなり苦労したそうです。それに手ブレ補正を入れるとなり社内では大騒ぎになったそうですが、結局実現する事ができたそうです。設計者は前機種と同じ設計者が担当しているとの事。
また、前機種では望遠側の性能は良かったのですが、広角側は少し弱かったそうです。今回のレンズは50mmから500mmまでバランスがとれてた性能だそうです。

ズームレンズではワイド端とテレ端はMTFがきちんとしていますが、途中の焦点距離で性能が落ちる場合があるそうです。
今回の50-500mmはカタログスペック上、MTFはワイド端とテレ端しか出していませんが、設計の承認会議で10mm単位でMTFを出したところ、スゴク綺麗に揃っていて、どの距離でも安心して使える性能に仕上がっています。
サッカーや運動会などのスポーツ撮影に無敵のレンズだそうです。

17-50mm F2.8 EX DG OS HSM

17-50mm F2.8 EX DG OS HSM

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APS-Cサイズ用大口径ズームレンズです。
シグマさんのAPS-Cサイズ用大口径標準ズームレンズとしては3代目となります。
今まで18-50mm F2.8を2機種発売しており、今回は広角側を17mmにし手ブレ補正を入れています。非常に性能が高く、最近よく売れているレンズとの事です。

70-200mm F2.8 EX DG OS HSM

70-200mm F2.8 EX DG OS HSM

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手ぶれ補正付きの定番レンズ70-200mm F2.8です。
2010年の発売ですが、実は2009年の初めに開発は終わっており、2009年の夏に発売する予定だったそうです。ですが、同時期に他のメーカーから同じ70-200mm F2.8が発売され、しかもかなり高性能だったそうです。
そこでシグマさんは、このままの性能では負けると考え、設計のやり直しを考えますが、営業サイドからは手ブレ補正が付いているから、このままでも売れると反対意見がありました。
しかし、国内生産にこだわる以上、最高を目指すべきと考え、もう一度設計をやり直したそうです。
その結果、コンパクトで非常に性能が良いレンズに仕上がっています。

30mm F1.4 EX DG HSM

30mm F1.4 EX DG HSM

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APS-Cサイズ用大口径標準レンズ「30mm F1.4 EX DG HSM」です。
35mm換算で45mm~50mmとなります。発売当時、大口径単焦点がはあまり人気がなくズームが人気でしたが、シグマさんがこのレンズを出して好評だった為、各メーカーも同じレンズを開発してきたそうです。最近では量販店さんの売り上げランキング1~3位が大口径単焦点という結果も出ておりブームになっているのですが、その先駆けがこのレンズです。
非常に良いレンズで山木社長もお子さんを撮るときに良く使っており、ちょっとクセがありますが、そのクセを生かせば、ポートレイトがおもしろく撮れるレンズとの事です。
ちなみに、このレンズのHSM無しバージョンはNEX-5で僕も使用しています。
→ソニー デジタル一眼カメラα NEX-5 レビュー その9(SIGMA 30mm F1.4 EX DC 外観
やはりF1.4は強力で、かなり良い感じにボケてお気に入りですが、開放ではピントの合う位置がかなり狭いです。まだ外観レビューのみですが、今後は作例もアップして行く予定です。

50mm F1.4 EX DG HSM

50mm F1.4 EX DG HSM

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上記の「30mm F1.4 EX DG HSM」のヒットで、気を良くして作ってしまったのが、この「50mm F1.4 EX DG HSM」だそうです(笑) 実はこのレンズ、レンズメーカーとしてはタブーだったそうです。
50mm F1.4は王道中の王道の標準レンズと言われており、カメラメーカーが作るモノ、レンズメーカーは作ってはいけないモノという暗黙のルールが業界にはあったそうです。 ですがシグマさんは一眼レフカメラのSDシリーズを発売しており、そのユーザーからカメラメーカーなら50mmを出して欲しいと要望があり開発を行ったそうです。
何十年と続いてきたタブーを破るからには、恥ずかしいモノは出せないと考え、クラシックな仕様だが最新の技術を投入して開発しています。
このレンズは大口径で周辺光量をタップリ入れてサジタルコマフレアを押さえているそうです。サジタルコマフレアって何?って思ったんですが、ちゃんと説明がありました。
Lens A

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Lens A

Sigma 50mm F1.4

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Sigma 50mm F1.4

サジタルコマフレアは点光源が欠ける現象です。これは他社さんのレンズとの比較です。
50mm F1.4 EX DG HSM
ちょっと分かりにくいの拡大した画像もアップしておきます。丸が欠けているのがわかりますよね?

「50mm F1.4 EX DG HSM」はサジタルコマフレアを無くし、周辺光量をタップリ入れて開放から使える良いレンズですが、デカくて重いと文句を言われる事もあるそうです(笑)

85mm F1.4 EX DG HSM

85mm F1.4 EX DG HSM

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これは現状シグマさんの発売されているレンズでは一番新しいレンズです。
30mm、50mmときたら次は85mmでしょ!との要望に答えて開発したそうです(笑)
50mm F1.4と同様に、クラシックな仕様ですが、最新の材料や設計ノウハウを投入して開発した、開放から綺麗に撮れるレンズです。


以上が、現在発売されているシグマさんのレンズのご紹介でした。
で、以下はフォトキナで発表された来年の新製品です。

APO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSM

APO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSM

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現行製品に手ブレ補正を入れたレンズです。
ワイド(広角)からテレ(望遠)まで収差のバランスが非常に良いレンズで、もしかするとシグマの歴史の中で最高の望遠レンズになるかもしれないと山木社長はおっしゃっていましたよ~。
設計的には明らかに最高との事で、あとは量産時にどうして行くかとのこと。
これはかなり期待できそうなレンズですね!

APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM

APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM

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こちらも現行製品に手ブレ補正を入れたレンズです。
防塵・防滴性の高い構造で、コンパクトな大口径中望遠マクロレンズです。

以上、こだわりの広角ズームレンズと現行製品と発売予定のレンズのお話でした。

ちなみにシグマさんの設計者に写真好きが多く、子供頃からレンズ設計者になりたいと夢見て入った方もいるとの事です。
大手メーカーだと、コピー機やステッパー(半導体素子製造装置)等の開発もあるので、必ずしも写真レンズを設計できない可能性もあります。ですがシグマさんなら確実に写真レンズの開発ができるので、だからシグマさんに来たとう方が集まっているそうです。

写真好きの技術者は、「このレンズはこういうシチュエーションで、こういうモノを撮るはずだから、ここにコダわらなくてはならない!」と分かって設計します。
このような技術者達が開発しているので、今後の新製品にも期待して欲しいとの事です。

いや~しかし、レンズって沢山種類がありますね~。
一眼初心者の僕には今回も非常に勉強になるお話でした。

この後はSD1のお話の予定でしたが、天気の都合上、先にモデル撮影会となりました。
という訳で、次回はモデル撮影会のレポートとなります。
それでは 体験イベント その3(モデル撮影会 紗々さん&馬琴さん)に続きます。

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